2010年09月30日
「無添加化粧品」の安全性とは?(乾燥肌)
化粧品には、安全性が求められます。特に最近は敏感肌の方が急増しています。
そのせいか世の中の化粧品には「無添加」という言葉が多用されています。
どうも、一般的に「無添加」=「安全」と考えられているようですが、 本当に無添加化粧品は安全なんでしょうか?
そもそも、「無添加」ってどういう意味なんでしょうか?
無添加とは、読んで字のとおり添加されていない、つまり、「配合されていない」ということです。
だから、「香料無添加化粧品」とか「着色料無添加化粧品」って書いてあれば意味もわかります。香料や着色料が入っていない商品ということです。
でも、多いですよね。「無添加化粧品」としか書かれていない広告や宣伝。
「無添加化粧品」だけ書かれると、何も配合されていない化粧品ということになっています。「この化粧品は何も配合されてませんよ。」とわざわざ宣伝しているようなものです。
でも、無添加の意味を知らない人は、安全な化粧品と思い込んでしまうんですよね。
以前の「無添加化粧品」と言えば、表示指定成分を配合していないものでした。
だからちゃんとしたメーカーは、「表示指定成分無添加化粧品」と表示していましたが、「無添加化粧品」としか表示しないところも多くありました。そして、お客さんに聞かれて初めて、「指定成分が無添加です。」と答えるのです。
もしくは、虫眼鏡で見なければ分からないほどの小さな文字で、パンフレットのスミに、「表示指定成分無添加」と書いてあります。
今は表示指定成分そのものがなくなり、全成分表示となりました。
だから、私は、 「これで、無添加化粧品という誤解を招く表示も減るかなあ。」と思っていたのですが、相変わらず 「無添加化粧品」は世の中にあふれています。
私のところにも、「無添加化粧品をつくってほしい」という意味の分からない依頼が、たびたび来ます。そのたびに説明を繰り返さなければなりません。
どうも、こう言った化粧品メーカーは、「無添加化粧品」と言えば流行りだから売れると勘違いしているようです。
ひどいメーカーになると、わざとお客さんに誤解させるような広告宣伝をしているメーカーもあります。もちろん、こういった事は、薬事法で禁止されています。
なのに、いっこうに減りません。本当に不思議です。
化粧品選びをされる際、「無添加化粧品」という言葉を前面に出して、何が無添加なのか?が分かりにくい、誤解を招く表現を多用しているメーカーは、避けたほうがいいと思います。
本当に化粧品の開発に携わっていれば、こんな宣伝は恥ずかしくてできません。
無添加化粧品=安全ではありません。
ある原料が配合されていないだけです。無添加が安全性を保障するわけではありません。まぎらわしい広告に惑わされないで下さい。
だから私は、(当たり前のことですが)お客さんが誤解するような化粧品は作らないと決めました。
安全性の高い化粧品とは?
在、生活環境や食生活の変化やストレスによって、肌トラブルにお悩みの方が増えてきています。
そのなかでも、肌のバリア機能が弱い敏感肌(乾燥肌)の方が多くおられます。
その結果、 化粧品を選ぶ基準に安全性を重視している方も多いのではないでしょうか。
でも、何を基準に化粧品の安全性が高いと判断していますか?
私の周りの人に聞くと、「合成着色料、合成香料、アルコール(表示されている名称は、”エタノール”です)が入っていないもの」と言う答えが返ってきます。
これは、納得できます。どれも、敏感肌の方は使用したくないものです。
私自身も超敏感肌なので、このようにヒリヒリしたり、刺激になるものは避けます。
だから私は、安全な化粧品を作るために、合成着色料、合成香料、アルコールを入れないと決めました。
ところが、「防腐剤が入ってないものが安全だ。」と答える人も少なくありません。
これは、誤解です。
また、「化粧品よりも薬用化粧品の方が安全ですよね。」という質問も良くされます。
確かに、薬みたいで良さそうですが、安全性とは関係ありません。
安全性の順位で言うと、
1位 化粧品
2位 医薬部外品(薬用化粧品)
3位 医薬品
となります。
ちなみに、効果は、この逆です。
つまり、効果を認める代わりに副作用も認められるのが、薬用化粧品や医薬品です。
化粧品は、副作用は認められません。
例えば、熱が出たら病院に行きますよね。その帰りに薬をもらいます。
この薬は、熱を下げるものなんですが、胃薬などその他のものが必ず入ってます。
この薬を飲むとすぐに熱が下がり、とても効果があります。
でも、熱を下げる薬品には、胃に負担をかけるという副作用があるのです。
ですから、「医薬品だから安全」と判断するのではなく、配合成分を見て、しっかりと検討してください。
と言っても、医薬部外品には、全成分表示義務がありませんが・・・・。
ですから、思い切って配合されている全成分をメーカーに直接聞いてみるのがいいと思います。
※本文中で「アルコール」と表現している成分の表示名称は「エタノール」です。
防腐剤(パラベン)は危険?
防腐剤(パラベン)は危険。 これは、大きな誤解です!
防腐剤と言うと、有名なのはパラベンです。 表示名称は、パラオキシ安息香酸●●と言います。
パラベンにも多くの種類があり、●●にはその種類ごとの名称が入ります。 パラベンは防腐剤として、食品や飲料、医薬品など実に多くのものに使用されています。
また、非常に低刺激な成分のため、刺激に弱い肌にも対応できるものとして、あらゆる化粧品に使用されています。
ところが、パラベンは、表示指定成分に含まれていたためにイメージが良くありません。
『表示指定成分=悪い』というイメージが浸透していたからです。
私は、ずっと以前から指定成分の意味に疑問がありました。
と言うのも、もともと指定成分は20年ほど前に、当時の厚生省が「アレルギー反応を起こす可能性があるものを配合する場合は、容器やパッケージ等に表示しなくてはならない。」というものでした。
でも考えてみて下さい。
20年以上前に決めたことですよ。
当時は確かにアレルギーを起こす可能性があったかもしれません。でも、その間に技術も進歩します。その結果、安全性が高まった原料もたくさんあるのです。
「表示指定成分」に認定されていない原料でも、アレルギー反応を起こす原料は数多く存在したのです。
つまり、指定成分が悪くて、その他は安全という誤解が生まれたのです。
そのいい例が、このパラベンです。
ただ、表示指定成分であったと言うだけで嫌われています。
また、2005年8月に『化粧して外出するとシワやシミが増える?』という記事が新聞に掲載されました。
(この記事についての詳細はココをクリックして、ご覧ください。)
この記事のため、パラベンはまた一層、嫌われ者になりました。
パラベンは低刺激な上、すぐれた防腐効果を持っているため、食品にも使われています。私が知る化粧品研究者に聞いても、全員がパラベンは安全性が高いと言っています。
それなのに、「防腐剤(パラベン)無配合」があたかも安全である、と宣伝しているところもありますが、私には信じられません。
そもそも、化粧品をつくるために使用する原料そのものに、防腐剤はすでに配合されています。
一部、スクワランなど配合されていないものもありますが、ほとんどの原料に配合されています。
でも、実は「防腐剤無添加」として、化粧品をつくることはできます。
化粧品をつくる際に、「防腐剤を必ず配合しなくてはならない。」という決まりは、実は無いのです。
腐るのを覚悟で防腐剤を無添加にしても、「防腐剤を配合しなければならない」という決まりごとが無いため、何の問題もないのです。
ここが化粧品メーカーのモラルにかかっています。
万が一、腐ってしまったら?
その腐った化粧品をお客様が使ってしまったら?
そんなことになったら、どんな肌トラブルになってしまうかわかりません。
ですから、99.9999%の確率で防腐剤を全く配合しない化粧品を作るのは無理ですし、仮に作ったとしても、そんないつ腐るか分からない危険なものを販売すること自体、私の考えではあり得ません。
私にはメーカーとして、「開封しなければ3年間は安定する商品をつくる。」という義務があります。しっかりと防腐剤を入れることを決めました。
だから私は、しっかりと防腐剤(パラベン)を入れることを決めました。
でも、ちらほら見かけますよね。容器を見ても、防腐剤は書いてません。
一体、どうしてるんでしょうか?
これには、ちょっとした抜け道があります。
そのせいか世の中の化粧品には「無添加」という言葉が多用されています。
どうも、一般的に「無添加」=「安全」と考えられているようですが、 本当に無添加化粧品は安全なんでしょうか?
そもそも、「無添加」ってどういう意味なんでしょうか?
無添加とは、読んで字のとおり添加されていない、つまり、「配合されていない」ということです。
だから、「香料無添加化粧品」とか「着色料無添加化粧品」って書いてあれば意味もわかります。香料や着色料が入っていない商品ということです。
でも、多いですよね。「無添加化粧品」としか書かれていない広告や宣伝。
「無添加化粧品」だけ書かれると、何も配合されていない化粧品ということになっています。「この化粧品は何も配合されてませんよ。」とわざわざ宣伝しているようなものです。
でも、無添加の意味を知らない人は、安全な化粧品と思い込んでしまうんですよね。
以前の「無添加化粧品」と言えば、表示指定成分を配合していないものでした。
だからちゃんとしたメーカーは、「表示指定成分無添加化粧品」と表示していましたが、「無添加化粧品」としか表示しないところも多くありました。そして、お客さんに聞かれて初めて、「指定成分が無添加です。」と答えるのです。
もしくは、虫眼鏡で見なければ分からないほどの小さな文字で、パンフレットのスミに、「表示指定成分無添加」と書いてあります。
今は表示指定成分そのものがなくなり、全成分表示となりました。
だから、私は、 「これで、無添加化粧品という誤解を招く表示も減るかなあ。」と思っていたのですが、相変わらず 「無添加化粧品」は世の中にあふれています。
私のところにも、「無添加化粧品をつくってほしい」という意味の分からない依頼が、たびたび来ます。そのたびに説明を繰り返さなければなりません。
どうも、こう言った化粧品メーカーは、「無添加化粧品」と言えば流行りだから売れると勘違いしているようです。
ひどいメーカーになると、わざとお客さんに誤解させるような広告宣伝をしているメーカーもあります。もちろん、こういった事は、薬事法で禁止されています。
なのに、いっこうに減りません。本当に不思議です。
化粧品選びをされる際、「無添加化粧品」という言葉を前面に出して、何が無添加なのか?が分かりにくい、誤解を招く表現を多用しているメーカーは、避けたほうがいいと思います。
本当に化粧品の開発に携わっていれば、こんな宣伝は恥ずかしくてできません。
無添加化粧品=安全ではありません。
ある原料が配合されていないだけです。無添加が安全性を保障するわけではありません。まぎらわしい広告に惑わされないで下さい。
だから私は、(当たり前のことですが)お客さんが誤解するような化粧品は作らないと決めました。
安全性の高い化粧品とは?
在、生活環境や食生活の変化やストレスによって、肌トラブルにお悩みの方が増えてきています。
そのなかでも、肌のバリア機能が弱い敏感肌(乾燥肌)の方が多くおられます。
その結果、 化粧品を選ぶ基準に安全性を重視している方も多いのではないでしょうか。
でも、何を基準に化粧品の安全性が高いと判断していますか?
私の周りの人に聞くと、「合成着色料、合成香料、アルコール(表示されている名称は、”エタノール”です)が入っていないもの」と言う答えが返ってきます。
これは、納得できます。どれも、敏感肌の方は使用したくないものです。
私自身も超敏感肌なので、このようにヒリヒリしたり、刺激になるものは避けます。
だから私は、安全な化粧品を作るために、合成着色料、合成香料、アルコールを入れないと決めました。
ところが、「防腐剤が入ってないものが安全だ。」と答える人も少なくありません。
これは、誤解です。
また、「化粧品よりも薬用化粧品の方が安全ですよね。」という質問も良くされます。
確かに、薬みたいで良さそうですが、安全性とは関係ありません。
安全性の順位で言うと、
1位 化粧品
2位 医薬部外品(薬用化粧品)
3位 医薬品
となります。
ちなみに、効果は、この逆です。
つまり、効果を認める代わりに副作用も認められるのが、薬用化粧品や医薬品です。
化粧品は、副作用は認められません。
例えば、熱が出たら病院に行きますよね。その帰りに薬をもらいます。
この薬は、熱を下げるものなんですが、胃薬などその他のものが必ず入ってます。
この薬を飲むとすぐに熱が下がり、とても効果があります。
でも、熱を下げる薬品には、胃に負担をかけるという副作用があるのです。
ですから、「医薬品だから安全」と判断するのではなく、配合成分を見て、しっかりと検討してください。
と言っても、医薬部外品には、全成分表示義務がありませんが・・・・。
ですから、思い切って配合されている全成分をメーカーに直接聞いてみるのがいいと思います。
※本文中で「アルコール」と表現している成分の表示名称は「エタノール」です。
防腐剤(パラベン)は危険?
防腐剤(パラベン)は危険。 これは、大きな誤解です!
防腐剤と言うと、有名なのはパラベンです。 表示名称は、パラオキシ安息香酸●●と言います。
パラベンにも多くの種類があり、●●にはその種類ごとの名称が入ります。 パラベンは防腐剤として、食品や飲料、医薬品など実に多くのものに使用されています。
また、非常に低刺激な成分のため、刺激に弱い肌にも対応できるものとして、あらゆる化粧品に使用されています。
ところが、パラベンは、表示指定成分に含まれていたためにイメージが良くありません。
『表示指定成分=悪い』というイメージが浸透していたからです。
私は、ずっと以前から指定成分の意味に疑問がありました。
と言うのも、もともと指定成分は20年ほど前に、当時の厚生省が「アレルギー反応を起こす可能性があるものを配合する場合は、容器やパッケージ等に表示しなくてはならない。」というものでした。
でも考えてみて下さい。
20年以上前に決めたことですよ。
当時は確かにアレルギーを起こす可能性があったかもしれません。でも、その間に技術も進歩します。その結果、安全性が高まった原料もたくさんあるのです。
「表示指定成分」に認定されていない原料でも、アレルギー反応を起こす原料は数多く存在したのです。
つまり、指定成分が悪くて、その他は安全という誤解が生まれたのです。
そのいい例が、このパラベンです。
ただ、表示指定成分であったと言うだけで嫌われています。
また、2005年8月に『化粧して外出するとシワやシミが増える?』という記事が新聞に掲載されました。
(この記事についての詳細はココをクリックして、ご覧ください。)
この記事のため、パラベンはまた一層、嫌われ者になりました。
パラベンは低刺激な上、すぐれた防腐効果を持っているため、食品にも使われています。私が知る化粧品研究者に聞いても、全員がパラベンは安全性が高いと言っています。
それなのに、「防腐剤(パラベン)無配合」があたかも安全である、と宣伝しているところもありますが、私には信じられません。
そもそも、化粧品をつくるために使用する原料そのものに、防腐剤はすでに配合されています。
一部、スクワランなど配合されていないものもありますが、ほとんどの原料に配合されています。
でも、実は「防腐剤無添加」として、化粧品をつくることはできます。
化粧品をつくる際に、「防腐剤を必ず配合しなくてはならない。」という決まりは、実は無いのです。
腐るのを覚悟で防腐剤を無添加にしても、「防腐剤を配合しなければならない」という決まりごとが無いため、何の問題もないのです。
ここが化粧品メーカーのモラルにかかっています。
万が一、腐ってしまったら?
その腐った化粧品をお客様が使ってしまったら?
そんなことになったら、どんな肌トラブルになってしまうかわかりません。
ですから、99.9999%の確率で防腐剤を全く配合しない化粧品を作るのは無理ですし、仮に作ったとしても、そんないつ腐るか分からない危険なものを販売すること自体、私の考えではあり得ません。
私にはメーカーとして、「開封しなければ3年間は安定する商品をつくる。」という義務があります。しっかりと防腐剤を入れることを決めました。
だから私は、しっかりと防腐剤(パラベン)を入れることを決めました。
でも、ちらほら見かけますよね。容器を見ても、防腐剤は書いてません。
一体、どうしてるんでしょうか?
これには、ちょっとした抜け道があります。